坑道の真実
■ クリスタリウム>彷徨う階段亭
▼ ジオットと話す
ジオット : ング、ング、ング……プハァ……。
ジオット : おう、我が相棒ではないか……蜂蜜酒なら、もういらんぞ?いや、酒を頼んだのは、お前さんじゃなく、サイエラじゃったか……ヒック。
ジオット : 呆れ果てて、言うべき言葉も見つからないとでも、言いたいという様子じゃな?いや、その場合、言いたいのか言いたくないのか、どっちじゃ?
ジオット : イカン、イカン……最近、調べ物の連続で頭を使いすぎたようじゃ。出ない答えを探す、クサれ哲学者のようになってしまったわい。
ジオット : いいか、ワシが言いたいのは、古の大再生魔法についての知識は得られなんだが、「ラミットの妹がいた場所」が判明したということじゃ。
ジオット : それでは、我が相棒を招待しよう。ワシの故郷……コルシア島の「トメラの村」にの!
■ コルシア島>トメラの村
▼ ジオットと合流
ジオット : しまったのう……Noleのやつに、我が故郷に向かう方法を、教えるのを忘れておった……。しかし、秘密坑道を通れる者は限られておるしどうしたものか。
ジオット : ん……?Noleではないか!?どうやって、ここまで来たんじゃ?
ジオット : ほう、あのラダー大昇降機を動かしたのは、お前さんたちじゃったか……!
ジオット : いやはや、さすが我が相棒!やるではないか、見直したぞ?
ジオット : ……ゴホン。ともかく、目的地はすぐそこじゃ。今度こそしっかり案内するゆえ、ついてくるがいいぞい!
▼ ジオットと話す
ジオット : はぁ、はぁ、はぁ……封鎖されていた廃坑道の扉を開いたら、中から突然、こやつが飛び出してきよった……!
ジオット : ま、一族最強のワシは、不意打ち程度でやられはせんがの!顔面に渾身のドワーフパンチをお見舞いしてやったわい!
ジオット : すまん、一族以外の者には教えられん。お前さんとワシの仲であっても、掟で禁じられているゆえな。それよりも、この奥の坑道についての話をするぞい。
ジオット : ともかく、この坑道は「光の氾濫」以前のこと、ある病気を患った者たちを、隔離するために使われておった。
ジオット : 病の名は「ドヴェルグ病」……。感染すると、少しずつ皮膚が岩のように変異していき、短い者は数ヶ月、長い者でも数年後には、完全に石化したという。
ジオット : 原因も不明ならば、治療法もわからない。ゆえに感染拡大を防ごうと、「穢れの坑道」と名付けた廃坑道に、患者を押し込めるという忌まわしい行為に手を染め……
ドワーフ族の長老 : ラミット!「穢れの坑道」に立ち入ってはならぬと申し付けたはず!
ドワーフ族の長老 : 勝手に里を出ただけでは飽き足らず、よそ者を連れて舞い戻り、さらに禁忌を犯すとは……もはや我慢ならん……お主に永久追放を言い渡すッ!
ドワーフ族の戦士たち : 追放だッ! 追放だッ!
アルバート : なぜだッ!ラミットは、苦労の末に大再生魔法「リバイヴ」を修得して、不治の病に侵されていた妹さんたちを救ったんだぞ!?
ドワーフ族の長老 : よそ者は黙っておれ!これは、ドワーフの問題じゃ!
ドワーフ族の戦士たち : 黙っとれッ! 黙っとれッ!
アルバート : 黙っていられるものかよ……!俺たち……いや、ラミットがどれだけ……!
ラミット : もういいの、アルバート。理由はどうあれ、掟を破ったことは事実なんだもの……。
ラミット : わかりました、最長老さま……。永久追放を受け入れます。一族の証、この兜もまたお返ししましょう。
アルバート : ラミット……お前…………。
ラミットの妹 : お姉ちゃんが、永久追放だっていうなら、私も出ていきます!
ラミットの妹 : 私たちドヴェルグ病の患者たちは、この薄暗い「穢れの坑道」に押し込められて生きてきました。呼吸がつらいから、兜も外して……。
ラミットの妹 : 家族以外の者には、素顔を見せるべからず。掟を破ったから追放だっていうなら、私たちだって!
ドワーフ族の元病人 : そうじゃな。ワシら病人は、ラミットに命を救われた。彼女ひとりを掟破りとして追い出すわけにはいかん。
ドワーフ族の元病人 : ゆこう、皆の者……!誇り高き掟破りの追放者として、この里を出るのじゃ!
ラミット : みんな……!
アルバート : あれで、よかったのかよ。
アルバート : 今からでも里に戻って、あの石頭の最長老を……
ラミット : あなたの自慢の斧で、叩き割るつもり?もう、やめてよね……。
ラミット : 今のあなたは、ホブゴブリンにやられる新米冒険者じゃない。その腕前なら、ドワーフ随一の戦士と呼ばれる最長老さまさえ、簡単に倒しちゃうと思うわ。
ラミット : でも、それじゃ、何の解決にもならない。今、私たちがやるべきは、病を広めた元凶を探して倒すこと。きっと今回の件の裏にも「影の王」がいるはずよ。
ラミット : アルバート……私、この世界を救うためになら、故郷だって捨ててみせるわ。
ラミット : それに、重い兜を脱いでみて、初めて気づいたの。風を感じるのが、こんなに気持ちいいってこと……。
アルバート : へへ……そうかよ。
アルバート : ま、なんだ……俺も、素顔のラミットのほうがいいと思うぜ。
ラミット : アルバート……。
ジオット : また、心にもない罵詈雑言を、言わねばならんのか?やいこの猫もどきのミステル娘!!お前の母ちゃんホブゴブリン!!
ジオット : どうにか、目を覚ましたようじゃな?
ジオット : 今回ばかりは、さしものワシも焦ったぞい。突然、お前さんが例によってフラフラし始めたかと思えば、倒したと思っていた罪喰いが動き出すしで……。
ジオット : まぁ、罪喰いの件は、トドメを刺せていなかったワシが悪いんじゃが……それで、今回は何を視たんじゃ?
ジオット : なんと……ドヴェルグ病をラミットが……?死病に侵された多くの同胞を救っておきながら、それゆえに追放されていたと……!?
ジオット : しかも……永久追放を言い渡したのは……当時の最長老は…………
ジオット : …………。
▼ ジオットと再度話す
ジオット : お、お前さんか……すまんな、勝手にフラフラとこんなところまで……。
ジオット : じゃが、すまん……少しだけワシに時間をくれんか?お前さんが視たという過去について、その事実を呑み込むまで、少しだけ時間が必要なんじゃ……。
ジオット : お前さんは、少し修行でもしていてくれ……。それではな……。
👈 古の大再生魔法