5.2-6 嗤うアルバート
ヤ・シュトラ : さてと、ここでやるべきことは果たせたわね。 流星雨と超える力、そして古の災厄に関する仮説…… それらが今後を考えるための助けになればいいのだけれど。
ヤ・シュトラ : クリスタリウムに戻る前に、ちょっと寄り道していいかしら? 実は、スリザーバウでやり残したことがあって……。
ヤ・シュトラ : 付き合わせて悪いわね。 集落に着いたら、ひとまず「ルナル」に挨拶させてちょうだい。
▼ ルナルと話す
ヤ・シュトラ : ルナルは、相変わらずなようで何よりだわ……。
ルナル : Nole、元気そうじゃないか!
ルナル : 姐さんも一緒に帰ってきてくれるなんて、オイラ、嬉しいよ! さっそく料理を作るから……
ヤ・シュトラ : せっかくだけど、あんまりゆっくりもできなくて……。
ルナル : わかった! 急いで作るから、すぐにできるから、どうか食べてってくれ!
ヤ・シュトラ : まったく、仕方がないわね……。 食事をいただいてから、戻ることにしましょう。
ヤ・シュトラ : ルナルが調理している間で、やり残したことを片付けさせて。 何てことはない、私が滞在していた部屋の掃除よ。 悪いんだけど、あなたも少し手伝ってくれない?
ヤ・シュトラ : 私は掃除しやすいよう部屋を片付けておくので、 アスゲイルから、「使い古したホウキ」を借りてきてほしいの。 それじゃあ、よろしく頼むわね。
▼ アスゲイルから使い古されたホウキを入手
アスゲイル : どうした、客人? なに、マトーヤ様から、 使い古したホウキを借りてくるようにと……?
アスゲイル : まさか、あの方が掃除をしようとは、明日は雪でも降るんじゃ…… いや何でもない、ホラ持っていけ。 どうせ新品なんてないから、もれなく使い古しだ。
▼ ヤ・シュトラに使い古したホウキを渡す
ヤ・シュトラ : 使い古したホウキは借りてきてくれたかしら……?
ヤ・シュトラ : うん、程よく使い古してあるわね、ありがとう。 真新しいホウキだと、少し具合がわるいのよ。
ヤ・シュトラ : 私の方も準備は完了よ。 これくらい片付いていれば問題ないでしょう。
ヤ・シュトラ : ……どこが、とも言いたげね。 いいのよ、この程度で…… 私にはとっておきの「魔法」があるのだから。
ヤ・シュトラ : あら、私を誰だと思って? 魔女マトーヤが、自らホウキを持って掃くわけないでしょう……?
ヤ・シュトラ : ひとつ心の一本気、ふたつ二枚目めかし込み、 みっつ小粋な三下り、よっつ四つ葉の幸運込めて……。 踊れよホウキ、いつまでも……!
ヤ・シュトラ : ホウキを使い魔にする気持ちがわかるようになったわ。 掃除って面倒だものね。
ヤ・シュトラの声 : 長いこと過ごしたこの部屋だけど、研究に熱中しすぎて、 ロクに掃除もしてなかったのよ。
ヤ・シュトラの声 : 原初世界に帰ったら、ここにも二度と戻ってこれないでしょうから、 去る前に綺麗にしておかないとね……。
ルナルの声 : お、おーい! 食事の支度ができたよー!
ヤ・シュトラ : どうかしたの、ルナル? 今日はやけに大人しいじゃない。
ルナル : い、いや、そんなことないさ、 オイラはいつもどおり、元気だよ……!
ヤ・シュトラ : そう、それならいいのだけれど……。
???? : よかった、やっぱりここだったか……。
ヤ・シュトラ : あら、あなたたち…… アルバートの追跡をしていたはずでは……?
アルフィノ : ああ、ここへもその一環でね……。 アルバートはノルヴラント各地を巡り、 アルバートはノルヴラント各地を巡り、 「光の戦士たち」の真実を広めている。
アルフィノ : 大罪人として語られてきた彼だが、 罪喰いになるでもなく復活を果たしたという事実と……。
アルフィノ : 「闇の戦士」である君が、 彼らの真実を語ったというお墨付きも相まって、 急速に名誉を回復させているようだよ。
アルフィノ : そして、クリスタリウムのときと同様に、 人々に新たな「光の戦士」を目指すよう扇動していた。
アルフィノ : その目的はまだわかっていないが、 皆、熱心に耳を傾けている様子だった……。
アリゼー : 「光の戦士たち」の真実を広めることは否定しないけど、 語ってるそいつ自身は、真っ赤な偽者なんでしょう?
アリゼー : 勝手に遺体を使ってなりすましておいて、 名誉も何もあったもんじゃないわ。 絶対に許せないわよ。
アルフィノ : このまま手をこまねいていて、事態が悪化することは防ぎたい。 目的を探る手がかりがない以上、アルバートを騙る者に接触し、 反応をうかがうしかないだろう。
ウリエンジェ : 彼が次に訪れるは、いまだ真実を広めていない土地…… この昏き森であろうとアルフィノ様よりご連絡いただき、 私たちも馳せ参じた次第です。
ヤ・シュトラ : アリゼーは「旅立ちの宿」にいたのでしょう? そっちの方は大丈夫なの……?
アリゼー : ハルリクたちの治療なら、今できるだけのことはやったわ。 しばらくは時間を置いてみて、あとは状態次第ってところね。
アルフィノ : これまでの行動を見ていると、 アルバートは、新たな土地に入ると必ず、 人々の信用を得るために、はぐれ罪喰いを狩っていた……。
アルフィノ : 私たちはそこに先回りして、彼を待ち伏せようと思う。
ウリエンジェ : サンクレッドとリーンにも声をかけ、 この一帯で、はぐれ罪喰いを探してもらっています。
ウリエンジェ : リーンによれば、ウォーヴンオウス周辺に、 罪喰いらしき存在を感じられるとのことです……。
アルフィノ : そういうわけで、休憩中にすまないが、 取り急ぎサンクレッドたちと合流したいと思うんだ。 ……構わないかい?
ルナル : 姐さん……!
ルナル : 必ずまた、帰ってきてくれよな! 今度は、もっとうまい料理をご馳走するからさ……!
ヤ・シュトラ : ええ、楽しみにしておくわ。
リーン : あっ、Noleさん……! 罪喰いは、サンクレッドと一緒に倒しておきました。
▼ サンクレッドと話す
サンクレッド : ああ……はぐれ罪喰いなら、片付けておいたぞ。
リーン : 以前と比べると、罪喰いの数も減っていますから…… すぐに見つけることができました。
アルフィノ : これで、あとはアルバートを騙る者を待つばかりだね……。
アリゼー : そういえば……サンクレッドたちは、 「無の大地」の調査をしてるんじゃなかった? そっちはよかったの?
サンクレッド : まだ調査中ではあるが、こっちも尋常じゃない事態だからな。 一旦、中断してでも力を貸すさ。
リーン : 私も、皆さんのお役に立てればと…… サンクレッドについてきました。
ヤ・シュトラ : やっぱり、みんなが揃うと頼もしいわね。
アルフィノ : ああ、戦いの可能性が否定できない以上、 万全の布陣で臨みたいからね。
ウリエンジェ : どうやら……目当ての者も現れたようです……。
アルバートを騙る男 : 今度は、こっちが一足遅かったようだな……。
アルバートを騙る男 : なあ、思い出さないか? 俺たちが初めて出会ったときのことを……。
アルバートを騙る男 : お前が倒すべき蛮神を、俺たちが先に倒しちまったよな。 「ラーヴァナ」とか言ったか……。
アルバートを騙る男 : そういや、まだ礼を言ってなかった。 俺はお前のおかげで蘇ることができたんだ。 本当にありがとな……。
アルバートを騙る男 : ああ、あいつはいい奴だった。 ずいぶんと経っちまったから、もう会えないのがな……。
アルバートを騙る男 : なるほど……茶番はやめろということか……。
アルバートを騙る男 : まあ、君たちを騙せるとは思っていなかったがな。
エリディブス : 私は、アシエン・エリディブス。 エメトセルクの再現した街を歩んだであろう君たちには、 こうも名乗れよう……
エリディブス : 真なる人を導きし、十四人委員会の調停者である……と。
アルフィノ : 聞かせてくれ……君の目的は何なんだ……?
エリディブス : 調停者として、十四人委員会の決議を成し遂げること…… ほかのアシエンたちと同じだと思ってもらって構わない。
アルフィノ : ……それを、ただの破壊活動とはもはや言うまい。
アルフィノ : 私たちも君たちも、それぞれに護りたい人々がいて、 だからこそ戦うのだと……あの海底で知ったからだ。
アルフィノ : しかし、エリディブス…… せめて一度、ともに考えることはできないだろうか。
アルフィノ : エメトセルクが最期に、彼女に「覚えていろ」と…… 己の歩みを、託してくれた意味を。
ヤ・シュトラ : そうね……。 あの人が辿り着いた結末は、あなたにだって、 何かを伝えようとしているのではなくて……?
エリディブス : エメトセルク…………。
エリディブス : 残念だよ……君らしくないことをしたものだ。 調停者として、それは棄却すべき思考だと言わざるを得ない。
エリディブス : 宿願を達成するまでの長き道のりの中で、 誤った見識を持つ者がいれば、それを正すのも調停者の役目。
エリディブス : エメトセルクの抱いた考えが、 私たちの歩みを止めようとするものであるならば、 いかに彼の言葉でも、私はそれを認めない。
エリディブス : そもそも、「なりそこない」の歴史を見てみろ。 100年前のアルバートたちのことですら、 都合よく解釈していたじゃないか。
エリディブス : そして今、民は私の言葉ひとつで掌を返している。 エメトセルクのことだって、所詮は同じようなもの。
エリディブス : ああ、お前たちは、いつもそうだ……。
エリディブス : 忘れ、誤り、その小さな手から何もかも零し続けている。 そんな存在が、私たちの何を「覚えている」と言うのだ。
エリディブス : 「なりそこない」であるお前たちと私たちの間には、 和解も、理解も有り得ない……その必要もない。
エリディブス : 私はただ……己が役目を成し遂げるのみだ。
ヤ・シュトラ : 待ちなさい……!
アルフィノ : ……思うところは多々あるが、ひとまず、 彼がエリディブスであることは確実となった。 そしてその目的が、世界の統合にあることも……。
アリゼー : でも、「光の戦士たち」の真実を広め、 人々を扇動している理由までは、わからずじまいだったわね。
ヤ・シュトラ : ……ねえ、もう一度、テンペストを訪れてみない?
ヤ・シュトラ : 今後、エリディブスと戦うにしろ、再び言葉を交わすにしろ…… 現状では、まだ不確かなことが多すぎるわ。
ヤ・シュトラ : 彼らが取り戻そうとしている、分断前の世界についても…… そして、エリディブス自身のことについても……ね。
ヤ・シュトラ : だったら、私たちから近づくべきではないかしら。 ……エメトセルクが、私たちにそうしたように。
ウリエンジェ : しかし…… かの幻影都市は、終末を迎える前の消えゆく幻。 エメトセルクが我らに知らしめた以上の、情報があるとは……。
ヤ・シュトラ : アーモロートについては、その意見に同意するわ。 でも、幻ではない本物の遺構には調査の手が及んでいない……。
ヤ・シュトラ : テンペストは広大よ。 オンド族が住居としていたような遺構が、 まだ遺っていたとしても、おかしくないと思うの。
ヤ・シュトラ : あなた、それ……面白い冗談だと思っているの?
アルフィノ : だとしたら、まずは新たな遺構探しということだね。 ここはテンペストをよく知る、オンド族を頼りにしよう。
5.2-7 フラウンダーの野望 👉
ウリエンジェ : エリディブスの企みは、依然として読めません。 最終目標が世界の統合なのは、もはや疑いようがないものの、 目下のところ、アルバートの肉体で何を成そうとしているのか……?
リーン : サンクレッドも、アシエンに操られたことがあると聞きました。 誰もが肉体を乗っ取られる可能性があるなんて、 本当に恐ろしいです……。
サンクレッド : 死んだ後までアシエンに肉体を利用されるなんて、ぞっとするな。 どうにか取り戻してやりたいところだが……。
アリゼー : 偽者とはいえ、見た目はアルバートそのものだったわね。 エリディブスにどんな想いがあるのであれ、 遺体を勝手に使うなんて、許せないわ……!
アルフィノ : エリディブスの意志は強固だった。 そして、人々が移ろいでゆくことについては、 悔しいけれど……返す言葉が出てこなかったよ。