5.2-5 汝、英雄の眠り妨げるは
水晶公 : 皆に真実を語ることで、 「光の戦士たち」に関する誤解を解けたのはよかった。 だが、そんなときに「本人」が姿を現そうとは……
水晶公 : 我々はあれが偽物だと判断できるが、 事情を知らぬ人々の目には、 奇蹟の生還を遂げたようにも映るだろう。
ベーク=ラグ : 100年前、「光の戦士たち」を見送った人々は、 異界からの帰還を願って、遺体を聖遺物として埋葬したという。 それが、こんな形で実現してしまうとは……皮肉なものだな。
ヤ・シュトラ : アルバートを騙る男は、「光の戦士」を目指せと、 人々を扇動していたようだけど……目的は何なのかしら?
ウリエンジェ : あれがエリディブスであると仮定しても、 その企みを探るには、まだ情報が少なすぎます。
ウリエンジェ : ひとまずは、アルフィノ様からの連絡を待つといたしましょう。 応援に馳せ参じたい気持ちはありますが、 尾行は少人数で行うべしと、つね聞かされておりますので……。
ウリエンジェ : そして、アシエンが暗躍している恐れが出てきた以上、 サンクレッドたちや、アリゼー様の力も必要となりましょう。 私は彼らを呼びにいこうと思います。
水晶公 : 確かに、少ない情報のみで不安を募らせるよりも、 今は為せることを、着実に為すべきだろう。
水晶公 : 私は引き続き、ベーク=ラグ殿とともに記憶継承術の改変法を探り、 「ソウル・サイフォン」の完成を急ぐこととしよう。
ヤ・シュトラ : それなら私は、ラケティカ大森林に向かうわ……。
ヤ・シュトラ : 私たちは、アシエンの正体や世界分断の事実を知った。 でも、それらの情報はいずれも、 エメトセルクによって語られたものだわ。
ヤ・シュトラ : 再びアシエンと相まみえることになるなら、 どういう形で決着をつけるにせよ、知識がいると思うの。 この世界について……自分たちの力で得た知識がね。
ヤ・シュトラ : 実はファノヴの里のアルメから、キタンナ神影洞の奥に、 新たなロンカの遺跡を発見したと報せを受けたのよ。
ヤ・シュトラ : かの文明は、古の災厄についての壁画を継承していた……。 もしかしたら、新たな事実の手がかりが掴めるかもしれないわ。
ヤ・シュトラ : あら、以前に遺跡を一緒に探索した、 あなたにも同行してもらいたかったんだけど……。 ほかに急ぎの用事がないのなら、どうか来てもらえないかしら?
ヤ・シュトラ : まずは、ファノヴの里の「アルメ」のもとへ向かいましょう。 彼女たち三姉妹が、新たな遺跡に案内してくれるはずよ。
ウリエンジェ : それでは、お互いまた何か進展があったら、 情報を共有することにしましょう。
水晶公 : アシエンの暗躍が気になるところだが、 「ソウル・サイフォン」の完成を急がせてくれ。 これから、記憶継承術の術式を今一度、解析し直そうと思う。
ベーク=ラグ : ワシができることといえば、 塔の記録の解析や応用に、己の知識を提供することにすぎん。 アラグの秘術を扱えるのは、その末裔である水晶公だけだからな。
ヤ・シュトラ : クリスタリウムに用事があるとき以外は、 この森に滞在しているけれど…… ファノヴの里まで足を運ぶのは久々だわ。
シャイメ : あっ、やっと来てくださいましたぁ~! 同盟者さんたちのこと、ずっと待ってたんですよぉ~。
ウィメ : 久しぶりだって……? うちらにとっては、ついさっき別れたって感じだよ。 ま、個人差はあるけどさ……。
▼ ファノヴの里のアルメと話す
アルメ : 同盟者たちよ、よくぞ戻った。 お前たちが、キタンナ神影洞から罪喰いを掃ってくれたおかげで、 我々はラケティカ大飛瀑方面まで、狩場を広げることができた。
アルメ : そして、狩りに向かった先で、新たな遺跡が発見されたのだ。 内部には仕掛けもなく、容易に進むことができたが、 例のごとく魔法で閉ざされた扉が立ち塞がった。
アルメ : きっと、その先には重要なロンカの叡智が祀られているはず。 同盟者を知へと導くことも、我ら護り手の役目のひとつ。 そこで、賢き同盟者、ヤ・シュトラに報せたのだ。
ヤ・シュトラ : そう呼ばれるのは光栄だけれど、私はまだまだ知らないことだらけ。 だからこそ、ロンカが護り伝えてきた「神々の時代」に、 関連する情報を少しでも知りたいの。
ヤ・シュトラ : 今後、より多くを知る古き者と、 対峙することになりそうなものでね……。
アルメ : ……なるほど。 必ずしも望みのものがあるとは限らぬが、 ロンカには「知に勝る魔法はなし」という諺がある。
アルメ : 扉の先を調べることで、 同盟者の力となる叡智と出会えることを願おう。
アルメ : だが、心してかかってくれ。 新たな遺跡は、閉ざされた扉まで仕掛けがなかった分、 その封印を解くとなると、何が待ち受けているのやら……。
ウィメ : ほら、前に遺跡に入ったときは、 馬鹿みたいに強い爺さんと戦ったじゃない? あのときより、手こずるってことはないと思うけどな~。
シャイメ : もうっ、遊びじゃないでしょ、ウィメちゃん!
ウィメ : とか言って、シャイメが一番、探索を楽しみにしてただろ? 同盟者が来るのを、いまかいまかと待ち焦がれて、 寝るときまで杖を抱いていたくせにー!
シャイメ : ちょ、ちょっとぉ! それは言わない約束でしょ~!?
ウィメ : さーて、それじゃあ出発しよっかー!
シャイメ : もう~っ!
ヤ・シュトラ : 若いっていいわね。 正確には私よりずっと年上だろうけど……。
アルメ : 我らは同盟者が訪れるまで、 長きにわたり遺跡を護ることを役目としてきた。 そして、お前たちが現れたことで、それは果たされた。
アルメ : これまでは、いかに気になっていても、 遺跡を探索することなど、そう簡単には許されなかった。 妹たちが浮かれていること、どうか大目に見てやってくれ……。
ヤ・シュトラ : もちろんよ。 こんなにも長い間、遺跡が残ってきたのは、 ひとえにあなたたちのおかげだからね……感謝しているわ。
アルメ : では、同盟者たちを新たな遺跡へと案内しよう。 まずは「キタンナ神影洞」の前まで、ご足労を願いたい。
ヤ・シュトラ : キタンナ神影洞にあった壁画は、 あのエメトセルクでさえ、存在を知らなかった。 今回の遺跡には、どんな知識が隠されているのかしら……。
シャイメ : う~ん…… お弁当持ってきた方がよかったですかねぇ~。
ウィメ : よーし、いっちょやったるかー!
▼ アルメと話す
アルメ : 改めて言っておくが、扉の封印を解くためには、 どんな仕掛けや試練が待ち受けているかわからない。 万全の準備を整え、覚悟のうえで臨んでくれ……。
アルメ : 新たな遺跡は、この階段を降りた先だ……。
ヤ・シュトラ : ずいぶんと、大きな石像ね。 ロンカでは様々な動物を神獣として崇めていたはずだけど……。
ヤ・シュトラ : これはどう見ても、普通の動物じゃないわね……。
シャイメ : とっても迫力がありますねぇ。 なんだか、生きてるみたいですぅ~。
ヤ・シュトラ : そして…… こちらは、お馴染みのフクロウの石像ね。
アルメ : 閉ざされた扉はこの奥にある……。
アルメ : 見てのとおり、 片方の台座にだけ、フクロウの石像が置かれている。 以前のように、空いた台座に石像を運ぶという試練だろうか?
ヤ・シュトラ : それにしては、単純すぎるわ。 一見すると妨害する機構もなさそうだし……。
ヤ・シュトラ : 待って、ここにロンカ文字が刻まれているわ……。 えーと……
ヤ・シュトラ : 汝……英雄の……眠り……妨げるは…………
ヤ・シュトラ : 封印されし……神獣…… 呼び起こすと……知れ…………。
ヤ・シュトラ : ちょっ、待ちなさい……!
ウィメ : え……ええ? なになに……何が起こってんの……?
シャイメ : 大変ですぅ~! やっぱりこれ、生きてますぅ~!!
ヤ・シュトラ : まったく! こうなったら、やるしかないようね……!
フアガス : 我は扉の守護者、「フアガス」なり……。 英雄の眠り妨げし者のうち、最も濃き魂持つそなたに試練だ。
フアガス : これなる、呪札に封ぜられし仲間を解放し、 ふたつの徳を示さねば、門扉は決して開かれぬと知れ。
フアガス : まずはひとつめ、そなたの「叡智」を示せ……。 次なる問いに答え、仲間を解き放つのだ。
フアガス : その魂、己の研鑽を求め、国を高みへと押し上げん。 この魂を持つ、「手先の器用な」神獣に触れよ。
▼ 大猿の石像に触れる
フアガス : そう、王座を巡って競い磨き合う、大猿の魂が国を高めるのだ。 素晴らしい、仲間のひとりを開放しよう。
フアガス : その群れ、ひとつの身体のように動き、国を平らかにせん。 この群れをなす、「大いなる神」である神獣に触れよ。
▼ 狛犬の石像に触れる
フアガス : うむ、狼犬の群れの如く、調和を保つことが国を太平とする。 やるではないか、仲間をひとり渡そう。
フアガス : その力、対立するも従え、国を興す礎とならん。 この礎となりし、「手も足も出ず」下された神獣に触れよ。
▼ 水蛇の石像に触れる
フアガス : そうだ、森のヌシたる水蛇を調伏し、国興しの力とした。 よかろう、仲間をひとり自由にしよう。
フアガス : さすれば、続けて「叡智」を示してみせよ……。
フアガス : 示すはそなたの「叡智」。 仲間の知恵は借りられぬと知れ……。
フアガス : 次なる呪札のうち、 対となるものを選び、その内に縛られし仲間を解き放て。
▼ 対となる仲間の呪札を揃えよ!
フアガス : ふむ、仲間をすべて解放したか……。
フアガス : よかろう、「叡智」の徳ありと認めよう……。
フアガス : さすれば、次なる徳を示してもらおう……。
フアガス : ふたつめの徳、「武勇」を示せ……。 「叡智」を継承するに足る力ありしことを……!
二葉斬りのウィメ : お次は腕っぷしの試練ってことね、それなら任せてよ!
三葉吹きのシャイメ : 回復は、私にお任せください~!
一葉抜きのアルメ : 試練とはいえ相手は本気のようだ、全力でいくぞ!
ヤ・シュトラ : 大きな攻撃がくるわ、みんな離れて……!
一葉抜きのアルメ : ヤ・シュトラが狙われている! 皆、集まってくれ!
フアガス : さて、仲間の危機にどう動く……?
ヤ・シュトラ : みんなで、Noleを助けるのよ!
二葉斬りのウィメ : マズい、シャイメが……!
フアガス : ほう、なかなかの動きだ……。
フアガス : よくぞここまで試練に耐えた。 それでは、我が最大の神秘を乗り越えてみせよ……!
三葉吹きのシャイメ : 毒……!? みなさん集まってください、この中なら大丈夫です~!
一葉抜きのアルメ : 雑魚もろとも喰らうがいい!
二葉斬りのウィメ : キリがないから、先に本体を倒そう……くらえっ!
ヤ・シュトラ : みんな、力の限りを尽くし倒し切るわよ……!
フアガス : 「武勇」の徳ありと認めよう。 ふたつの徳を併せ持つ者に、今こそ門扉を開かん……!
ヤ・シュトラ : どうやら……試練は突破できたようね。 あれが転移装置のようだから、飛び込んでみましょう。
ヤ・シュトラ : ふう……元の部屋に戻ってこられたようね。
ヤ・シュトラ : あなたのおかげで、 とんだ試練を受けさせられたわ……。
ウィメ : まーまー! これで扉の封印も解けるんだし、結果オーライだ!
ヤ・シュトラ : さて、『汝、英雄の眠り妨げるは』とのことだったわね。 大体、見当はついているけど、果たして……。
ヤ・シュトラ : やっぱり、ここは霊廟だったようね。 埋葬されているのは、おそらく古代ロンカ帝国の英雄……。
アルメ : あの壁画に描かれているのは……ヴィース族の魔道士? まさか、「大魔道士チュナ」の墓だというのか……?
アルメ : とても高名な、ロンカ時代の英雄だ。 その魔法は神の如く強大で、悪しき軍勢を蹴散らし、 平和をもたらしたという。
ウィメ : てっきり、おとぎ話だと思っていたけど、 本当に存在したんだね、チュナって……。
シャイメ : わ、私は信じてましたぁ~!
ヤ・シュトラ : これは……まさか……
ヤ・シュトラ : 星の……雨が降り…… 英雄……大いなる力に……覚醒せん…………。
アルメ : 言い伝えによると、大魔道士チュナは、 「真実を見抜く眼」や「心の声を聞きとる耳」を持っていたそうだ。
ヤ・シュトラ : それが事実なら、間違いなく「超える力」ね……。
ヤ・シュトラ : だとすれば……なんてこと……。 すべては、偶然ではないのかもしれない。
ヤ・シュトラ : 世界に降り注ぐ星の雨。 「流星雨」を見た者は、異能に目覚める。 それは、原初世界でもたびたび報告されている事象なの。
ヤ・シュトラ : その理屈はようとして知れなかったけれど、 ひとつ、仮説を立てることができそうだわ。
ヤ・シュトラ : ここに描かれた流星雨の絵…… キタンナ神影洞で見た、終末の壁画に似ていなくて?
ヤ・シュトラ : あるいは、エメトセルクが見せた終末の光景に……。 あなたも、世界を焼き尽くす、無数の流星を見たはずよ。
ヤ・シュトラ : 水晶公たちが作ってくれているソウル・サイフォン然り、 魂と記憶というのは、密接にして繊細な関係を持っている……。
ヤ・シュトラ : 私たちの魂のどこかに、 遠い過去に見た終末の風景が焼き付いていたとしたら…… それに似た流星雨を見たときに、何かしらの反応があるのかも。
ヤ・シュトラ : そうね……そうだわ……「超える力」については、 未だエーテル学的な解明がなされていない。
ヤ・シュトラ : だとすれば、終末の想起によって発露する、 人が分断される前の…… 古代人だったころの力という可能性も……?
ヤ・シュトラ : ごめんなさい、私としたことが、 何の根拠もない憶測を語りすぎたわ。 エーテル学を修める者として、あるまじきことね……。
ヤ・シュトラ : なんとか、この説を裏付ける証拠が欲しいところだけど、 それはここで見つかるものじゃない……。
ヤ・シュトラ : ただ、この壁画を見ていたら、あの幻影都市で目にした、 終末を思い出してしまったというのは本当よ。
ヤ・シュトラ : そう、エメトセルクは最後に、 彼らが生きていたことを「覚えていろ」と言ったわ……。
アルメ : 我ら護り手が遺跡を護ってきたように、 ロンカは過去から受け継がれたものを大切にしていた。
アルメ : しかし、だからこそ、戒めを込めた、 「過去を明かす者、ときの者に非ず」という諺を持つ。 その意味はこうだ……
アルメ : 過去を読み解いたつもりでいても、 読み解いているのが今を生きる者である以上、 今の観点や願望が必ず入る、ということ。
ヤ・シュトラ : 確かに、一理あるわね……。
ヤ・シュトラ : 私たちは幻影都市で「終末」を目にしたけれど…… そこで感じたことには、私たちの常識や思想による影響が、 少なからず入っていたはず……。
ヤ・シュトラ : エメトセルクが護っていた真実を正しく継いでいくのは、 存外難しいことなのかもしれないわ……。
ヤ・シュトラ : さて、これ以上、ロンカの英雄の眠りを妨げるのも悪いわね。 そろそろ、ファノヴの里に戻りましょう。
ヤ・シュトラ : アシエンたちの時代について、 何か情報が得られればと思っていたけれど……思わぬ収穫ね。 「流星雨と超える力」の仮説は、検証していきたいものだわ。
シャイメ : 新たな遺跡が、大魔道士チュナのお墓だったなんて、 とっても感激しましたぁ~。 私が魔道士になったのも、彼女の影響なんですぅ~。
ウィメ : いや~まさか、試練で呪札にされちゃうなんてね~。 なぞなぞ好きのヘンテコな神獣だったけど、 なかなか手応えあったよ!
▼ ファノヴの里のアルメと話す
アルメ : 無事に戻ってこられてよかった。 受け取った叡智が同盟者の力となることを願うが、 それはすぐにわかるものでもないだろう……。
アルメ : 最後にこれだけは聞いてほしい。 大魔道士チュナの英雄譚は、数多く伝わっているが、 照らし合わせると矛盾だらけで、その真偽は定かではない。
アルメ : 口伝される過程で、後世の者たちの思惑や願望が入り混じり、 誤解や誇張が繰り返され、いつしか事実が歪められたのだろう。 それほどに過去の継承とは難しいのだ……。
アルメ : そして、この時代の「英雄」の偉業を受け継いでゆくのは、 ほかならぬ、我ら護り手の新たな役目だ。
アルメ : 森を訪れた勇敢で賢き同盟者が、罪喰いを屠って夜闇を取り戻した。 その事実を長きにわたって、正しく継いでいくことを、 ここでお前たちに誓おう……。
ウィメ : ま、堅苦しいことはこれくらいにして…… うちらは、みんなのこと絶対に忘れないから、安心しといて!
シャイメ : そうですよぉ~! みなさんのこと、しっかりと語り継いでゆきますからぁ~!
ヤ・シュトラ : それはありがたいわね。 私たちも、深き森で出会った強く美しい護り手さんたちのこと、 ずっと忘れずに覚えておくわ……。
アルメ : それでは、ロンカの同盟者たちよ、 次に再来することを心待ちにしているぞ……。
5.2-6 嗤うアルバート 👉
アルメ : お前たちはロンカの同盟者であり、この時代の英雄だ。 その偉業に関われたことを我らは誇りに思う。 必ずやその真実を正しく受け継いでゆこう。
ウィメ : みんなと一緒に、馬鹿みたいに強い爺さんと戦ったり、 ヘンテコな神獣に呪札にされたんだから…… そんなこと、忘れられるわけないっての!
シャイメ : みなさんのこと、しっかりと語り継いでゆきます。 そうだ、そのためにも同盟者さんたちを描いた、 新たな壁画があってもいいかもしれませんねぇ~。