5.2-3 ライナの頼みごと
アルフィノ : 実は、しばらく調べ物のため博物陳列館に籠っていたので、 外の空気を吸って気分転換がしたかったんだ。
アルフィノ : ライナがあえてここで言わない頼みというのも、 気になるところではあるしね。 それでは、外に出て彼女から話を聞いてみよう。
アルフィノ : さあ、ライナから話を聞いてみよう。
▼ ドッサル大門のライナと話す
ライナ : 先ほどは、不躾で申し訳ありませんでした。お願いしたいこととは、単刀直入に言うと、レイクランドに出没する、はぐれ罪喰いの討伐です。
アルフィノ : 世界から光が掃われても、はぐれ罪喰いが残っているとは聞いていたが……それは大変だ、皆にも協力してもらった方がいいのでは?
ライナ : いえ、それには及びません。確認されているのは一体だけで、おそらく、我ら衛兵団でも対処できる程度の相手です。
ライナ : にも関わらず、「闇の戦士」殿に協力をお願いするのは、今一度、衛兵たちに、あなたとの共闘を経験させたいがため……。
ライナ : これまでの戦闘では、皆、必死で周囲を見る余裕などありませんでした。ですから、改めて実戦をともに戦い、学ばせていただきたいのです。
アルフィノ : そ、そんな……求められているのは君なんだ。私も、その戦う姿勢を見て、多くのことを学ばせてもらった。どうか、ここは私からもお願いさせてもらえないだろうか……?
ライナ : ありがとうございます。討伐部隊の兵を招集しますので、ひとまず、「ジョッブ砦」までご同行ください。
アルフィノ : 大罪喰い亡きいま、残存する罪喰いは統率を欠いているが、 それでも戦う術を持たない者には、依然として大きな脅威だ。 できるだけ排除しておくべきだろうね。
▼ ジョップ砦のライナと話す
ライナ : それでは、討伐部隊の兵を招集して参ります。
ライナ : 覚えていらっしゃらないかもしれませんが、討伐部隊は、あなたとゆかりのあった者たちを集めました。「闇の戦士」殿との共闘は、彼らのたっての希望でもあるのです。
ライナ : それぞれ、英雄に思いのたけを伝えたいようなので、よろしければ、聞いてやってください。
負傷から快復した衛兵 : 俺は罪喰い襲撃後の厳命城で、あなたに介抱してもらった者です。奴らの攻撃を受けて、もう助からないと諦めかけていましたが、このとおり元気になりました!
負傷から快復した衛兵 : それもこれも、「闇の戦士」様のおかげ……ずっとお礼が言いたかったんです、本当にありがとうございます!今度は俺が誰かを救えるよう、奮闘努力するつもりです……!
落ち着いた衛兵 : 私も同じく、かの戦場であなたに介抱していただきました。あのときは、罪喰い化した仲間を斬った直後で動転していて、無礼な態度をとってしまったようで、申し訳ございません。
落ち着いた衛兵 : しばらく、剣を持つことすらできなかったのですが、「闇の戦士」様の活躍で勇気をもらい、復帰することができました。いまは、死んだ仲間の分まで戦い続けたいと思っています。
精悍な衛兵 : 私はミンフィリア救出作戦のときに、斥候を務めていた者です。アマロで戦場へ飛び立つあなたの勇姿を見送ったのが、ついこの間のような気がします。
精悍な衛兵 : 思えば、あのとき戦った相手はユールモア軍でした。いまや、新体制となったかの軍と、我ら衛兵団が連携して、平和を守っていこうとしている……私もその一翼を担う所存です!
ライナ : 実はもうひとり衛兵がいるのですが……
実直な衛兵 : 申し訳ございません!温泉に行きたいというご老人に頼まれ、クリアメルトまで護衛していたため、遅れてしまいました……。
ライナ : 人助けを咎めるつもりはありませんが、衛兵団の一員たるもの、時間は厳守してください。あなたが会いたがっていた方を、お待たせするところでした。
実直な衛兵 : 大変、失礼いたしました!
セイラー : 自分は「セイラー」と申します。覚えていないかもしれませんが、あなたとは前に、スパジャイリクス医療館でお会いしたことがあります。
セイラー : 罪喰いとの戦いで親友を失くし、友の想いを水晶公に伝えたくて、あなた方にお声がけしました。当時は、まさか「闇の戦士」様とは知りませんでしたが……。
セイラー : 親友は最期に、本当の空を見られてよかったと、この世界がとても綺麗だったと言って、亡くなりました。
セイラー : あれから、その言葉を胸に過ごしています。そして、光が溢れていたころの代わり映えのない景色とは違い、刻々と姿を変える、世界の多様な美しさに魅せられてもいます。
セイラー : 朝日に照らされて輝く、クリスタルタワー。晴れれば蒼く曇れば暗く、天候によって変わる空の表情……。そして、夜には漆黒の空に満天の星が輝くのです。
セイラー : 自分は、あいつが好きだった、この美しい世界を……あなたが取り戻してくれた、掛け替えのない平和を、全力で守っていくと誓いました。
セイラー : 此度は、ご一緒できて光栄です!
ライナ : 皆、あなたがもたらした平和を守りたい一心で、日々の職務に全力を尽くしてくれています。
ライナ : 標的を監視している斥候たちも、その志は同じでしょう。彼らは、あなたとは初対面となりますが、それゆえに憧れも人一倍のはずです。
ライナ : それでは、北の集結地に向かい、「衛兵団の斥候」から状況の報告を受けましょう。
勇ましい衛兵 : ううむ……。 あれは、いったい何者だったのだろう……。
▼ 衛兵団の斥候と話す
ライナ : はぐれ罪喰いを倒したのですか?本隊の到着までは手を出さぬように、命じたはずですが。
衛兵団の斥候 : それが……私たちじゃないんです。突然現れた、旅人らしき者があっという間に……。
ライナ : その者が、ひとりで?はぐれとはいえ、かなりの力を持った罪喰い……相当な手練れとて、そう易々と倒せるはずがありません。
勇ましい衛兵 : 手練れどころか、あんな猛者は見たことありません!どこからともなく現れたと思ったら、斧をひと振りで、いとも簡単に罪喰いを仕留めたんです!
勇ましい衛兵 : 俺、思わずその人に聞いたんですよ。「あなたが噂に聞く闇の戦士か?」って……。
勇ましい衛兵 : そしたら一言、「自分は光の戦士だ」と。
アルフィノ : 光の、戦士だって……?
セイラー : おい……いくら強くたって、「光の戦士」と言えば、光の氾濫を引き起こした大罪人だ。
セイラー : それより、こちらのお方こそ、この世界を救ってくれた、本物の「闇の戦士」様だぞ……!
勇ましい衛兵 : こっ、これは失礼いたしました!お目にかかれて、光栄でありますッ!!
ライナ : さて、標的であったはぐれ罪喰いが倒された以上、今回の討伐任務は、これで終了となります。各自、持ち場に戻るように。
セイラー : あなたと共闘できなくて残念です。これからも、「闇の戦士」様を師表に精進します。
ライナ : 結果、無駄足を踏ませてしまい、申し訳ありません。それにしても、「光の戦士」を名乗る者の正体が、気になるところです。
ライナ : 先ほどの彼らもそうでしたが……もとの意味はどうであれ、「光の戦士」と言えばアルバートたちを想像する者が大勢です。
ライナ : 私は水晶公から、彼らの行いがあってこその今なのだと……あなたの勝利にも何か関与していたのだと伝え聞いていますが、そんな認識はまだ人々に浸透していないはず……。
ライナ : 何者であろうと、はぐれ罪喰いを倒してくれるだけならば、むしろ感謝すべきなのでしょうが……。
ライナ : ともかく、ここまでご足労いただきありがとうございました。
アルフィノ : それでは、我々はクリスタリウムに戻るとしようか。ちょっと、私から提案したいことがあるんだ。
ライナ : あ……申し訳ありません、もうひとつ……。
ライナ : 今度は、あなたに個人的にお話ししたいことがあるのです。少しだけよろしいでしょうか……?
アルフィノ : では、私は先に星見の間に戻っているよ。
▼ ライナと話す
ライナ : 呼び止めてしまってすみません。お話ししたいのは、水晶公のことです……。
ライナ : ご存じのように、公は外見上は歳をとることがありません。それでも永く生きているだけあって、
時折、老人のように感じることがあるのです。
ライナ : ああいえ、出不精だとか覇気がないという話ではなく。魚をペーパーナイフと勘違いした事件についてでもなくて……。
ライナ : ……そう、公はどこか死を悟っているかのような、諦観しているところがあったんです。
ライナ : それがですね……。
ライナ : あなた方とテンペストから帰還して以来、なんだか、とても……若々しくなった気がするのです。
ライナ : とくにここ最近は……皆さんと何か、研究をしているのですよね?
ライナ : たまたま調べものをしている姿を見かけたのですが、その眼差しは、さながら無邪気な少年そのもの。まだ見ぬ未来に向けられているように感じられました。
ライナ : そんな公の変化が、私はとても嬉しいのです。まるで憑き物が落ちたように、生き生きとし始めたことが……。
ライナ : だからこそ、以前の公と関わりの深い自分は、近づかない方がいいのではないかと……邪魔になってしまうのではと、思っておりまして……。
ライナ : 公が!?それは、本当ですか……?
ライナ : よかった……。だとしたら、いままでと変わりなく接していいのですね……。
ライナ : あなたにこの気持ちを打ち明けて正解でした。どうもありがとうございます。
ライナ : ただ、ひとつだけ心配なのは、公が研究に打ち込みすぎて、身体を壊さないかということ……。
ライナ : どれほど若く見えようとも、私にとっては「おじいちゃん」ですからね…