5.1-1 生命力の揺らぎ
■ モードゥナ>石の家
▼ タタルに話す
タタル : Noleさん、 いいところに、お越しくださいまっした! あれから少しは身体を休めることはできまっしたか?
タタル : おお、それは何よりでっす!
タタル : 一方、私の方はと言えば、日常業務を続けつつ、 「助っ人」と連絡を取ろうと試みているのでっすが…… 今のところ、なしのつぶてでっす。
タタル : ただ、エオルゼア同盟軍から報告をもらうことはできまっした。 ギムリトの前線においても、帝国の動きは見られないと……。 ひとまずは、静観といったところでしょうか。
タタル : ですので、静かなうちに例の約束…… 第一世界から帰ってきたときにお願いしていた、あちらでの冒険について、詳しく聞かせてくださいまっせんか?
タタル : ありがとうございまっす!そうだ、せっかくでっすから、ロウェナ記念会館のテラスでお話しするでっす!
タタル : そこにいるはずの「フ・ラミン」さんも、とくにミンフィリアさんのこと、知りたがってまっしたから……一緒にお話を聞かせていただくでっす!
■ モードゥナ>レヴナンツトール
▼ レヴナンツトールのフ・ラミンと話す
フ・ラミン : あら、もしかして……例の、第一世界での冒険について話をしてくれるの?
フ・ラミン : 忙しいのに、私のためにありがとう……。タタルさんが来たら、ぜひお話を聞かせて。
フ・ラミン : 護りたい……救いたいと、あの子が願った世界、そこでの、長い長い冒険のお話を……。
タタル : ミンフィリアさんが遺した、希望の灯火は、そのリーンという子に託されたのでっすね……。
フ・ラミン : リーン……過酷な運命を背負って生まれながら、それでもなお、ミンフィリアの想いを継いで歩んでくれた子……。
フ・ラミン : きっと、あの子も嬉しかったと思う。だからこそ……安心して、力を託すことができたんだわ。
フ・ラミン : 私がリーンに会うことは、とても叶わないでしょうから、あなたから伝えてあげて……
フ・ラミン : ただ一言、「ありがとう」と……。
フ・ラミン : もちろん、あなたにも感謝を……。ミンフィリアがどんな想いを伝え、どんな希望を遺したのか、あなたから、直接聞かせてもらえてよかったわ。
???? : お、ちょうど、話も終わったところか?邪魔しちゃ悪いとも思ったんだが…………
タタル : リオルさん!わざわざいらしたということは、連絡をお願いしていた「助っ人」の件でなにか……?
リオル : ああ、いっこうに通信が繋がらないんで、さすがに不安になってきてな……。
リオル : そこで、こちらから帝国属州に潜入して、距離的に近い場所から、通信を試みようと思うんだ。サンクレッドがいない今、潜入任務は俺の役目だろう?
タタル : で、でもでも、危険ではないでっすか?
リオル : なぁに、隠れて進むぶんには、やりようはあるさ。それにここ最近は、不気味なくらい帝国軍に動きがない。今なら、ギムリト経由での潜入も容易だろう。
リオル : ただ座して待つより己にできることを、ってな。なんとか朗報を持ち帰れるよう、試してみるさ。
リオル : ……おっと、忘れるところだった。クルル嬢が訪ねてきて、お前さんたちを探していたぜ。
リオル : 賢人たちについて、相談したいことがあるとか……。いま石の家で、彼らの診察中だ。話が終わったんなら、戻ってやんな。
タタル : 相談って何なんでっすかね……?ともかく、「石の家」に戻るでっす!
■ モードゥナ>石の家
▼ 石の家のタタルに話す
タタル : クルルさんはまだ診察中のようでっす。ここは焦らず、診察が終わるのを待ちまっしょう!
クルル : あら、来てくれていたのね。
タタル : それで……みなさんの様子はどうでっすか?
クルル : 相変わらず、昏睡状態が続いているわ。まるで眠っているように、体に異常は見られない……
クルル : と、言いたいところなのだけれど、実は変化の兆しが見られるのよ。
タタル : 変化……でっすか?
タタル : ハッ……?もしかして、相談したかったことって……!?
クルル : ええ、そうよ。
クルル : 微かにだけれど……みんなの肉体に残るエーテル、つまり、魂以外の生命力とでも言い換えればいいかしら。 そこに揺らぎが見られるの。
クルル : 今すぐに、どうにかなるというほどの変化ではないけれど、その揺らぎに個人差があるのが気になるのよ。
クルル : いちばん、揺らぎが大きいのはサンクレッドさん。次いで、ヤ・シュトラとウリエンジェさん……。一方、アルフィノくんとアリゼーには、ほとんど変化はなし。
タタル : それって……倒れた順でっすよね!
クルル : そのとおりよ。つまり、魂が分離してから時間が経過している人ほど、生命力の揺らぎが大きくなっているってことね。
クルル : これは推論に過ぎないけれど、魂と肉体の結びつきが、弱まりつつあるのかもしれないわ。
タタル : たたたたた、大変でっす!その結びつきが完全に断たれてしまったら、どうなるでっすか!?
クルル : こんな症状はじめてだから、確かなことは何も言えないわ。でも、決していい結果になるとは思えない。
クルル : 先程も言ったけれど、まだ揺らぎはとても小さいわ。それに、私もマトーヤ様と連携して、肉体を保つための努力はしてみるつもり。
クルル : だから、その間……あなたには彼らの魂を帰還させる方法を探してほしいの。
クルル : ありがとう、頼りにさせてもらうわ。
タタル : でもでも、探すと言ってもどうやって!?これまでも専門家さんたちに力を借りて調べてきたのに、まだ何も……手がかりすらつかめていないんでっすよ?
クルル : 確か……あなたの報告によれば、水晶公は、召喚者である自らの死を以て、賢人たちの魂を原初世界に返すつもりだったのよね?
クルル : シャーレアンにいたころのラハくんを知る身としては、その決断に思うところもあるけれど……。
クルル : 何にせよ、幸いにして彼の命は救われ、結果的に、賢人たちも第一世界に留まることになった。
クルル : そうなるとやっぱり、魂の帰還を実現するには、召喚術の要となっている、水晶公の協力が不可欠よ。
クルル : だから、この肉体の変化に関する情報を携えて、もう一度、第一世界に渡り、水晶公たちと協議してもらいたいの。
クルル : もちろん、原初世界側からのフォローは徹底させてもらうわ。だから……よろしくね!
■ ノルヴラント>クリスタリウム>星見の間
▼ 星見の間の水晶公に話す
水晶公 : やあ、原初世界での報告は無事に……
水晶公 : ……いや。その顔を見るに、何か深刻な事態があったのか。詳しく聞いても……?
水晶公 : なっ、賢人たちの肉体に変化が……!?
水晶公 : まさか、彼らの肉体にそんな危険が迫っているとは。クルルがあちらで、かのマトーヤ様の助けを借りて、対処に動いてくれているというのは心強いが……。
水晶公 : 私の方といえば、過去の研究成果を洗い直していた。最初にサンクレッドを喚び出してからしばらくは、原初世界への帰還方法を、最優先で探していたのでね。
水晶公 : そもそも、私の召喚術の原理は……いや、ここは状況報告も兼ねて、皆を招集して話した方がいいか。急いで、使いを出そう……。
ウリエンジェ : 失礼……遅くなりました……。
ヤ・シュトラ : あら、サンクレッドとリーンも、一緒だったのではなくて?
ウリエンジェ : 彼らは「無の大地」に関する調査に注力したいと……。急ぎ、手が必要なときには呼ぶよう、言付かっております。
水晶公 : 確かに、彼らが担う調査も重大事だ。今は、ここに集った者で問題を検討しよう。
水晶公 : さて、皆にはすでに概要を伝えてあるが……あなたが原初世界で聞いたことを、改めて報告してもらっても?
アルフィノ : 生命力に揺らぎ、か……。
ヤ・シュトラ : 魂であるこちらの私たちには、今のところ、異常は視られないわね……。
ヤ・シュトラ : さりとて、この状態を維持し続けられる確証もない……いずれにせよ、帰還方法を真剣に探すべきでしょうね。
水晶公 : あなたにも、私の用いた召喚術について、一度、きちんと説明しておこう。
水晶公 : ……そもそも、私は優秀な魔法使いなどではなくてね。大がかりな術を扱うときには、この塔の機能と、そこに蓄えられたエネルギーを用いているのだ。
水晶公 : 皆や、あなたを喚んだ術も、例外ではない。遠い未来で確立され、私を第一世界へと送った機能……それを四苦八苦しながら転用した。
水晶公 : 乱暴な言い方をしてしまえば、世界の壁に、対象者だけが通れる穴をあけて、
この塔のもとへと引っ張ってくる、といったものなのだが……。
水晶公 : あなた以外の皆は、想定外の召喚だったため、その穴が完璧には開けられなかった……という具合だ。
水晶公 : ……私はもう、どんな役目を背負っていても、生きることを投げ出さない。
水晶公 : あの海の底まで救いにきてくれた、あなたに誓って……今回の件だって、何が何でも解決法を探してみせる。
水晶公 : だが……もしそれが間に合わず、皆の身に危機が迫るようなことがあれば……
当初の方法を選ぶことも、ためらわないでくれ。
水晶公 : いでっ!?
水晶公 : いきなり、何を……!
アリゼー : 「もし」の話でも、気に食わなかっただけよ。それで生き延びたって、あの人が悲しい顔するなら、最低最悪のやり方だわ!
ヤ・シュトラ : ほうぼうから愛されて大変ね、英雄さん?
ヤ・シュトラ : さ、そろそろ議論に戻りましょうか。
ヤ・シュトラ : まず検討すべきは、私たちのような不完全な転移の事例ではないと思うの。完全な成功例が、この場にいるんだから……。
ヤ・シュトラ : ここで注目すべきは、魂と肉体の転移のみならず、装備や持ち物を含む物質を伴い、次元の狭間を超えている点よ。
ヤ・シュトラ : テレポに代表される転移魔法では、自己の延長線上に物質を置くことで転移を実現しているの。その際、鍵となるのが「これは自分の物である」という認識よ。
アルフィノ : なるほど。つまり私たちの魂を、彼女が「自分の物」だと認識すれば、
原初世界に持ち帰ることができる、と?
アリゼー : それで済むなら話がはやいわね。
アリゼー : でも、そんな簡単に他人を物だなんて思える?少しでも疑念を抱いた瞬間、次元の狭間に放り出される……なんてことだったら、さすがに危険すぎよ。
ウリエンジェ : アリゼー様の懸念は、ごもっともでしょう。
ウリエンジェ : ですが、魂を何らかの物質に収めてしまえば話は別……我らが魔女は、そう言いたいのではありませんか?
ウリエンジェ : ならば、「白聖石」が役立つはず……。あの魔器は、元々、アシエンの魂を捕らえるため創られた物。より魂の質量が小さい我々であれば、収められて当然です。
ウリエンジェ : 「白聖石」に収められた魂を、安全に維持する方法、そして肉体に移し替える方法。このふたつを確立できれば、原初世界への帰還も叶いましょう。
水晶公 : 魂の維持と、移し替えか……。であれば、私からも提案できることがありそうだ。
水晶公 : レイクランドの「始まりの湖」、その対岸に、かつてエルフたちが築いた宮殿があってね。
水晶公 : 「光の氾濫」の折、放棄されたようなのだが、そんな場所を根城とする風変わりなン・モゥの隠者がいるんだ。
水晶公 : かつてフッブート王国の王宮にも出入りしていた魔道士で、特に「魂」に関する研究で知られていたと聞く。ここは隠者殿に、知恵を借りてみてはどうだろう?
アリゼー : もちろん、反対する気はないけれど……そんなに名高い魔道士が、廃墟で隠れて暮らしてるなんて、よほどの事情がありそうじゃない?
水晶公 : おそらく、そのとおりだ。私も数十年前に、罪喰いの対策に関して協力を仰ごうと、接触を試みたことがあったのだが……
水晶公 : 使い魔をけしかけられて、まともに交渉すらできなかったよ。どうやら、相当な人嫌いらしい……。
水晶公 : だが、気難しいイル・メグの妖精たちとも、縁を結んだあなた方であれば、あるいはと思ってね。
水晶公 : 場合によっては、荒事になるだろうが……ここはひとつ、隠者殿を訪ねてみようじゃないか。もちろん、あなた方さえよければ、だがね。
賢人たちの魂を「白星石」に収めるため、「魂」を研究している 隠者に会いに行くことになった。人嫌いの隠者は、古い宮殿に隠れ暮らしているようだが……。
ウリエンジェ : フッブート王国は、精強なる騎士の国であると同時に、魔法の研究にも力を入れていたと、記録されています……。
ウリエンジェ : そのような国で名を成した魔道士ともなれば、かなりの知恵者でありましょう。
アルフィノ : ン・モゥ族といえば「対価の収集家」……。人との取引を望みこそすれ、接触すら拒むとは考えにくい。いったい、どんな事情があるのだろう?
アリゼー : 水晶公ったら、今度また後ろ向きな発言なんてしたら、この細剣で、小突き回してやるんだから!……だいたい、ひとりで背負い込みすぎなのよ。
ヤ・シュトラ : 人里離れて暮らす、風変わりな魔道士……。洞窟でホウキと隠居生活をしている誰かさんを思い出すわね。あの人ほど、毒舌じゃないといいのだけれど。