5.1-8 タロースを確保せよ
■ コルシア島>八号抗口
チャイ・ヌズ : さて、労働タロースの確保だが、レンデン殿の言うとおり、いちから生産しても間に合わん。
チャイ・ヌズ : ならば、現在起動しているタロースを使えばいい……!すなわち、この付近を徘徊している、制御を失ったタロースを捕獲し、再利用するのだ!
チャイ・ヌズ : そのためには、ある道具が必要になる。確か「トップラング」に残っていたはずなのだが……ひとまず、ついてきてくれ!
レンデン : 自らの得意分野を武器に、解決に導くか……。さて、しばらくは傍観者に徹させてもらうぞ。
カイ・シル : 再利用ってことは、タロースを壊しちゃいけないんですよね。じゃあ、落とし穴でも仕掛けて……って、穴を掘ってる間に襲われちゃうか。
アルフィノ : アム・アレーンでは、停止したタロースを修復したそうだが、今回は暴走状態にある個体を、制御下に戻す必要がある。当然、危険度はより高くなるだろうね。
▼ チャイ・ヌズと話す
チャイ・ヌズ : ふふふ……私の記憶は確かだった。まだ残っていたぞ、ダイダロス社製「絶霊玉」!
チャイ・ヌズ : エーテル伝導率が低い「絶霊体」の粉末が詰まった玉でな。タロースが暴走していたとしても、こいつをぶつけられれば、エーテルの流れを絶ち、機能を停止させられるのだ。
アルフィノ : なるほど!それがあれば、戦闘の必要もなく、無傷のままタロースを捕獲できますね。
チャイ・ヌズ : ああ、捕獲が叶えば、ユールモアまで向かうよう、命令を与え直すだけだ。細かい調整は、その後にじっくりやればいい。
チャイ・ヌズ : お前たちのような戦闘に長けた者が、いつまでも、手を貸してくれるわけではない……。
チャイ・ヌズ : だからこそ、この「絶霊玉」が活躍するのだ。これなら、私のような、戦闘を不得手とする者でも、タロース捕獲に繰り出せる!
カイ・シル : チャイ・ヌズさん、まさか自分で絶霊玉をタロースに……?
カイ・シル : 駄目ですよ、危険な役目には変わりないんだ!だったら、俺が……!
チャイ・ヌズ : レンデン殿に課題を与えられたのは、私だ。実行役を他人に任せて、安全なところになどいられん。お前たちに頼みたいのは、あくまで少しの支援のみ。
チャイ・ヌズ : ……もちろん、怖いさ。こんな無茶、石橋を叩いてきた私の人生で、初めての経験だからな……。
チャイ・ヌズ : だが、人々の先頭に立とうというのだ……!後方から巨大タロースが立ち上がるのを見守っていたときとは、状況が違うだろう?
アルフィノ : チャイ・ヌズ殿……。
チャイ・ヌズ : ああ……!勇気こそ振り絞ったが、命まで失うつもりはない。私が危険な目に遭わぬよう、どうか手を貸してくれ。
チャイ・ヌズ : 頼みたいのは、タロースに近づくタイミングの指示だ。望遠鏡を貸すので、絶霊玉が届く距離まで、周囲の魔物に気づかれず近づけるよう合図を送ってほしい。
チャイ・ヌズ : よし……Nole、指示は任せた。「クイックウェイ」の見通しのいい場所に陣取ってくれ。
レンデン : ……面白い男だな。妙に自信がなさそうな態度を取ったと思えば、己を危険にさらす策を実行する胆力を発揮するとは。
アルフィノ : この場合、誘導役はひとりに絞るべきだろう。私は口をつぐむことにするので、チャイ・ヌズ殿が危険な目に遭わぬよう頼んだよ。
チャイ・ヌズ : よ、よし……足の震えは止まらないし、ものすごく手に汗をかいているが、私は準備万端だ……!お前さえよければ、いつでも行けるぞー……!
カイ・シル : 自分でやるから意義がある、か……。そんな無茶ができるのも、チャイ・ヌズさんが、ユールモアをそれだけ想っているからこそなんだよな……。
▼ 指定場所から、チャイ・ヌズに合図を送る
チャイ・ヌズ : お、おお……! 成功だ!この調子で、次のタロースも停止させるぞ!
チャイ・ヌズ : よし……上手くいっているぞ!あと、もう1体、停止させれば、
ひとまず必要な体数は確保できるだろう!
チャイ・ヌズ : Noleのおかげで、タロースに近づくタイミングも、だいぶ掴めてきた……。この調子で、最後のタロース捕獲に挑むぞ!
チャイ・ヌズ : やった……やったぞ……!これだけタロースがあれば、私の計画が実現できる!
レンデン : ……初対面のとき、彼にくだした評価は、完全に間違っていたようだな。
アルフィノ : チャイ・ヌズ殿が怪我でもしたら、救出に走ろうと身構えていたが、その必要もなく安心したよ。
カイ・シル : 熟考を重ねた上で、導き出された唯一の道。その道を進むために必要な危険も受け入れて……チャイ・ヌズさんの覚悟が、この結果を生んだんだ……!
▼ チャイ・ヌズと話す
チャイ・ヌズ : 自分でも信じられないが……いや、もちろん皆の力を借りての成果でもあるんだが……。
チャイ・ヌズ : 私が…………やったんだな。
レンデン : チャイ・ヌズ……いや、チャイ・ヌズ殿。これまでの無礼をお詫びしたい。
レンデン : 熟考を重ねて導き出した解決策。ダイダロス社の社長としての知識と経験。
そして、闇の戦士までもが力を貸すだけの人柄……。
レンデン : あなたは、まごうことなく、ユールモアの元首にふさわしい男だ。
チャイ・ヌズ : ……ありがとう。だが、私はまだまだ臆病で弱腰な未熟者だ。
チャイ・ヌズ : だから、私が元首としての務めを果たせるよう、レンデン殿の力を貸してほしい。
レンデン : 謹んで、お受けしよう。私が提示した問題に、見事な回答を示したあなたに、従わぬ理由など、どこにもない。
レンデン : これら、労働タロースという新たな力を目にすれば、人々の中から、あなたの政策に従う者も現れるだろう。
アルフィノ : 熟考を重ねる元首と、それを補佐する厳格なる熟練官僚。ユールモアの新たな出発を導くに、これ以上ないほど、ふさわしいふたりだと思わないかい?
カイ・シル : それじゃ、はやいとこタロースを、ユールモアへ向かうよう調整しましょう!ドゥリア夫人が、今か今かと帰りを待ってるはずです。
チャイ・ヌズ : よし、そのまま一列になって、ユールモアへ向かえ!
汚れた身なりの男 : なんだ、この音は……?
汚れた身なりの男 : タ、タロース……!?壊れたタロースが暴走してやがるのか……?
汚れた身なりの男 : おい、誰か……番兵を呼んできてくれ!
ユールモア軍の兵士 : 市民の方は、お下がりください……!
ドゥリア・チャイ : まって……!
ドゥリア・チャイ : 嗚呼、あなた……!
チャイ・ヌズ : も、もちろん、帰ってくるに……
チャイ・ヌズ : ぐぁっ……く、苦しぃ……
ドゥリア・チャイ : あらあら、まぁまぁ、どうしましょう……?
チャイ・ヌズ : ふぅ……助かった……。
ドゥリア・チャイ : ごめんなさい、あなた……帰ってきてくれたのが嬉しくて。
チャイ・ヌズ : いや、構わん。それよりも、置き手紙だけでなく、しっかり、言葉で伝えてから外出すべきだった。
ドゥリア・チャイ : それじゃあ……
チャイ・ヌズ : ……う、うむ。私は、元首の座から逃れるために、ユールモアを出ていったわけではない……。
チャイ・ヌズ : 補佐官としてレンデン殿を迎えるために交渉に行っていたのだ。その助力を得られた今、ようやく私は胸を張って言える。
チャイ・ヌズ : 私は、ユールモアの元首の役目を、引き受けさせてもらう、と。
ドゥリア・チャイ : まぁまぁまぁ!なんて、おめでたいのかしら……!
カイ・シル : 結局、みんなの後をついてまわるだけでしたけど……ユールモアや自分のことを、たくさん考えられました。漠然としていた自分の気持ちも、少し見えてきた気がします。
アルフィノ : さあ、ユールモアの新たな門出だ!今はまだ、荒れ野を手探りで進んでいくしかないだろう。しかし、彼らならきっと自分たちで道を切り拓くさ……!
ドゥリア・チャイ : あぁ、あなたもアルフィノちゃんも、ありがとうねぇ!こんなに壮大な帰還になるなんて、思ってもみなかったわ!
ドゥリア・チャイ : それに……やっぱり、私の旦那様は最高よ。どんな難題を前にしたって、必ず解決してしまうんだもの!
チャイ・ヌズ : ま、まだ息が…………ゲホッ。
▼ ゲートタウンのレンデンと話す
レンデン : ……なんとも苛烈な奥方だな。
レンデン : まあ、それはさておき、おあつらえ向きに、 身分や立場を問わず、人が集まってきているようだ。
レンデン : 彼らに、伝言役となってもらい、 ユールモアにいるすべての立場の者に集まってもらおう。 チャイ・ヌズ殿の就任挨拶を聞いてもらうためにな
レンデン : 立場に関わらず、多くのユールモア民を集め、 元首の就任挨拶を行おう。 ……チャイ・ヌズ殿の息が整ったらな。
5.1-9 ユールモアの新たな誓い 👉