5.4-1 アリゼーの志
クルル : 「あら、Lusie。もしかして、みんなの体調を気にかけて、様子を見に来てくれたのかしら?」
クルル : 「だとしたら安心して。ご覧のとおり、みんな元気そのものよ。」
クルル : 「そろそろ、こっちでの「暁」としての活動を、本格的に再開させようって相談をしているくらいよ。「未明の間」に集まるみたいだから、行ってみましょう。」
アルフィノ : 「さて、皆も元の身体に慣れてきたところだろうか……そろそろ、我々「暁」の今後の動きについて話そう。」
サンクレッド : 「そうだな……俺は帝国の現状を把握してこようと思う。皇帝崩御からこっち、きな臭い話だらけだからな。単独で潜入して、帝都の様子を確かめてくるとしよう。」
ウリエンジェ : 「ええ、脅威を知るためにも、潜入調査は肝要でありましょう。しかし、死すら超越したあの男……ゼノスが暗躍しているとも聞いております。」
ウリエンジェ : 「然れば、私もお供させていただきましょう。」
ウリエンジェ : 「足手まといにはなりません。それに、ガンブレードのソイルに魔力を込める役回りも、必要なのではありませんか?」
アリゼー : 「ふたりの方針は決まりね。実は私も、やりたいと思ってたことがあって……」
リセ : 「みんな! おかえりっ!」
アルフィノ : 「リセじゃないか!!」
リセ : 「もう大丈夫なんだよね?また倒れちゃったりしないよね……?」
アリゼー : 「このとおり、ピンピンしてるわよ!」
グ・ラハ・ティア : 「リセ……では彼女が、かの解放戦争を、「暁」とともに戦い抜いたという……!?」
リセ : 「えっと、あなたは……?」
クルル : 「あら、リセはお初だったかしら?たしかにシャーレアン出身者といっても、活動分野が違えば、知り合う機会も少ないものね。」
グ・ラハ・ティア : 「「暁」に参加させてもらうことになった、グ・ラハ・ティアだ。あんたの活躍は、記録の上でだがよく知ってる。会えて光栄だ。」
リセ : 「ああ、あなたが……話には聞いてるわ。アラミゴ解放軍のリセ・ヘクストよ。」
アルフィノ : 「彼は唯一無二の経験と知識を持っているんだ。かの世界でともに困難と戦った、頼れる仲間だよ。」
リセ : 「そう、それそれ!報告書には目を通したんだけど、ずいぶん複雑な事情だね……?」
リセ : 「時空を超えて第一世界に……途方もない話だけど、それならもう霊災が起こる心配もないの……?」
ウリエンジェ : 「転生組のアシエンは、今なお残っているでしょう。しかし、オリジナルが消えたとなれば、十全に活動できるとは思えません。」
ウリエンジェ : 「依然として警戒は必要ですが、当面の危機は避けられたと考えて良いでしょう。」
リセ : 「よかった……。」
リセ : 「それにしても、ゾディアークとハイデリンが蛮神だったなんて……簡単には受け止められないね……。」
ヤ・シュトラ : 「これ以上の霊災が発生しなければ、世界の統合は起こらない。
ゾディアークが完全な力を得ることもない。」
ヤ・シュトラ : 「でも、最古にして最強と謳われる蛮神が、不完全な形であれ存在し続けていることには変わらないわ。」
ヤ・シュトラ : 「私たちは未来を継いでいく、だからこそ、それが悪用されないよう見守るべきだと思うのよ。世界を救いたいという願いを込められた、あの蛮神を……ね。」
アルフィノ : 「ところで、リセはどうしてここに……?」
リセ : 「いけない、みんなと再会できたのが嬉しくって、本来の目的を忘れるところだったよ。今日は同盟軍の伝令として来たんだ。」
リセ : 「帝国の件なんだけど……ヴァリス帝の死後、その従兄弟にあたるネルウァって皇族が、後継者に名乗りを上げたらしいんだ。」
リセ : 「だけど、反発する勢力との間で内戦状態に突入……。すでに帝都ガレマルドは、戦闘によって崩壊状態だっていう噂もあるほどなの。」
リセ : 「それを踏まえて、これからアラミゴで会議が開かれるんだけど、「暁」にも参加を依頼したいんだ。」
サンクレッド : 「こっちもちょうど、帝国に潜入しようと考えていたところだ。出発前に最新の情報を共有してもらえるなら助かる。」
アルフィノ : 「よし、それでは皆でアラミゴに向かうことにしよう。」
アリゼー : 「悪いんだけど、私は欠席させてもらっていいかしら?どうしてもやりたいことがあって……。」
アルフィノ : 「ああ、さっきも何か言いかけていたね。そのことかい?」
アリゼー : 「ええ、実は……テンパード化を解く方法を探してみたいのよ。」
アルフィノ : 「なるほど、ポークシーを使った罪食い化の治療……あれを応用するという話だね?」
リセ : 「テンパードの治療って……夢みたいな話じゃない!会議の方は、全員が参加する必要もないんだし、その研究、絶対に進めてみるべきだよ!」
アリゼー : 「ありがとう……。」
アリゼー : 「よければ、あなたも手伝ってくれない?お堅い会議の方が好きっていうなら……別にいいけど!」
ヤ・シュトラ : 「あんまり、意地の悪いことを言うものじゃなくてよ?それに未知への探求こそ、冒険者であるあなたの本分でしょう。先輩として、アリゼーを手伝ってあげて頂戴。」
グ・ラハ・ティア : 「だったらオレも……オレも是非、同行させてくれ……!」
ヤ・シュトラ : 「そんなに意気込まなくても、誰も反対なんてしないわよ。思う存分、英雄と冒険してらっしゃい。」
グ・ラハ・ティア : 「そ、そういうつもりじゃ……。ただ、第一世界での経験が役立つかもしれないと……!」
アルフィノ : 「では、我々は会議に向かうとするよ。」
タタル:「グ・ラハさんのお洋服は旅装になっているので、冒険にはうってつけでっす!」
グ・ラハ・ティア : 「か、からかわれた……。ヤ・シュトラには、いよいよ敵う気がしないな……。」
▼ アリゼーと話す
アリゼー : 「あらためて説明しておくけれど……私がテンパードの治療を思い立ったのは、第一世界で、ハルリクを治療したときのことよ。」
アリゼー : 「罪喰い化している人たちの、心身から活力がなくなってる状態と、テンパードの状態に共通点があると気づいたの。」
アリゼー : 「つまり、テンパードも罪喰いと同じく、魂が不活性化した状態であると考えたのよ。」
グ・ラハ・ティア : 「なるほど、それでポークシーを用いた活性化魔法で、治せる可能性がある、と……。」
アリゼー : 「何よりも私はタイタンのテンパードにされたあの子を、コボルド族のガ・ブを助けてあげたい。」
アリゼー : 「ただ……魂は繊細で未知の部分も大きい。安全性を確認しながら、慎重に研究を進める必要があるっていう、ベーク=ラグの忠告も忘れていないわ。」
アリゼー : 「だから、活性化魔法をすぐにガ・ブに試すことは避けて、まずテンパードがどういうものか、それを知ることから始めたいの。」
アリゼー : 「とはいえ、長い間、テンパードの治療は不可能とされてきた……患者は処分されてきたから、研究が進んでいるとは言えないわ。何か糸口があればいいのだけれど……。」
グ・ラハ・ティア : 「だったら、もっと古い過去に目を向けてみるのはどうだ?アラグ帝国では、蛮神やテンパードを捕らえて利用していた……そのあたりの研究も進んでいたはずだ。」
グ・ラハ・ティア : 「ほら、蛮神の研究をしていた「魔科学研究所」だよ。あんたなら行ったことあるだろ?あそこなら、役立つ記録も残っているかもしれない。」
アリゼー : 「なるほど、確かにアラグ文明なら期待できそうね。でも、その研究所って「魔大陸」とかいう浮島にあるんでしょ?そう簡単には行けないと聞いてるわ。」
タタル : 「フッフッフ……。こんなこともあろうかと、いいものを用意しているのでっす!」
タタル :「 百聞は一見にしかず……まずは、「銀泪湖北岸」までお越しくだっさい!」
▼ 銀泪湖北岸のタタルと話す
タタル : 「ジャジャーン!石の家のみんなと一緒に、カンパニークラフトをがんばって、「暁」専用の飛空艇を作りまっした!」
タタル : 「その名も「ボナンザ」号!みなさんの幸運と、繁栄を願って付けまっした!」
アリゼー : 「すごいじゃない……!これがあれば、魔大陸にも向かえそうね。とっても助かるわ!」
グ・ラハ・ティア : 「服のときも驚いたが、「暁」の金庫番は徹底してるんだな……!こっちでならガーロンド社から買うこともできるのに、わざわざ自作するなんて……。」
タタル : 「えへへ……。ただ、操縦士さんはお金で雇いまっした。」
タタル : 「ひとり用の小型飛空艇も数機搭載してあるので、魔大陸内での移動の際に使ってくだっさい!」
タタル : 「それでは……ボナンザ号、発進でっす!」
グ・ラハ・ティア :「オレ、空を飛ぶのが好きなんだ。飛空艇でも、アマロやチョコボでも……。風を切るのが、すごく気持ちよくてさ。」
▼アリゼーと話す
アリゼー : 「さて、ここが魔大陸……。アルフィノの報告書で知ってはいたけれど、
実際に見てみると、アラグの技術に圧倒されるわね……。」
アリゼー : 「「暁」の記録によると、魔大陸はあなたと教皇トールダンが、最後の戦いを繰り広げた場所だったわね……。」