5.3-11 君を明日へと導くは / Unto the Morrow
ウリエンジェ:「 私からのお願いは以上となりますので……次の土地へと赴かれますか?」
ウリエンジェ:「であれば、是非、我らが魔女のもとへ。住処の片づけであれば、私よりも彼女の方が難儀しているかと。「夜の民」の皆さまにも、よろしくお伝えください。」
ウリエンジェ:「あちらの「六属相関図」を外していくべきか否か……。なにぶん原初世界の知識ですので、残しておかぬ方が適切なのでしょうが……。いつか、あれを見つけた者が、私たちの世界に興味を持つ。……そんな未来があっても、おもしろいとは思いませんか?」
ヤ・シュトラ:「あら……?もしかして、様子を見に来てくれたのかしら。……その言い分だと、まるで私が片づけを苦手としているように聞こえるのだけれど。あとで、ウリエンジェと話し合う必要がありそうね。」
ヤ・シュトラ:「生憎だけど、片づけはしっかり終わったし、「夜の民」への挨拶も済んでいるわ。最後にもう一度ルナルに声をかけてから、クリスタリウムに戻ろうと思っているのだけれど……あの子、さっきから姿が見えないのよ。」
ルナル:「マトーヤの姐さんッ!」
ルナル:「 姐さん……オイラ、これからもずっと姐さんといたいんだ。いなくなるなんて寂しいこと言わないで……どうか、頼むよ!」
ヤ・シュトラ:「ルナル……あなた……。」
ルナル:「 ……なーんて。ごめんよ、困らせるってわかってても、言っておきたかったんだ。姐さん、「夜の民」に力を貸してくれて、ありがとう。オイラたちが立ち直れたのは、姐さんの聡明さと、強さと、優しさのおかげだ。」
ルナル:「魔女マトーヤのことは、いつまでも忘れないよ。だからどうか……向こうでも、元気でね。」
ヤ・シュトラ:「 ……あなたたちこそ。 「夜の民」の祈りは、先人たちの積み重ねた叡智だわ。生活が変われば、祈りも変わるでしょうけれど、大事になさい。 それから、ひとりひとりが知ろうとし、考えていくことも忘れては駄目よ。困難を乗り越える力は、そこから生まれるのだから。」
ルナル:「わかった、肝に銘じておくよ。いつかこの魂が、あの美しい天の暗き海に還るまで……みんなで、精一杯生きていこうと思う。」
ヤ・シュトラ:「ええ……。だけど、皆の力と知恵を集めても、解決しがたい難題にぶつかることがあるかもしれないわ。そんなときは……。」
ルナル:「ど、どうすればいいんだい……?」
ヤ・シュトラ:「そんなときは、きっと、私を呼びなさい。私は魔女マトーヤよ?世界を飛び越える術くらい、そのうち見つけ出してみせるわ。……こっちにもまだ、解き明かしたい真実があることだしね。」
ルナル:「あ、姐さぁん……!Lusie、姐さんのことをよろしく頼むよ。ご飯はしっかり食べさせて、冷え込む日には、たっぷり毛布を渡してあげるんだ。ああ、姐さんが好きな薬草茶のレシピはいるかい?ええとそれから……それから………………そっけなくされても、ときどきはそばにいてあげて。強い人だからこそ、独りぼっちにならないように。よろしく頼んだよ!」
ヤ・シュトラ:「まったく、まるで大きな子どもなんだから!…………フフ。それじゃあ、私はゆっくりとクリスタリウムに戻るわ。あなたの方も、これで最後だったかしら?」
ヤ・シュトラ:「……そう、サンクレッドたちとまだ会っていないのね。 彼も、いまさら言葉を呑み込みはしないでしょうけど……あのふたりにとっては、とても大きな別れになるわ。よければ、迎えに行ってあげてはどう……?」
ヤ・シュトラ:「ナバスアレンの廃墟に向かったならば、必ずトゥワインを経由するはず。そこで待っていれば、会えるんじゃないかしら。」
ジェリック:「やっほー!どうしたの、キミもトロッコ乗りにきた?うんうん、わかるよー!」
マグヌス:「なんだ、お前まで来たのか?今日はえらい盛況だな。ああ、サンクレッドたちなら、間違いなくここに来たぞ。ナバスアレンに行きたいっていうから、トロッコを出してやったんだ。」
ジェリック:「そうそう、そうなのさ!キミたちが乗って、ドンガラガッシャーンされたトロッコが、修復と改良を経て、ついに運転再開したってわけ!しかも今回は、チャイ・ヌズさんが、ダイダロス社の知識を提供してくれてるから……」
ジェリック:「前よりちょっと……速い!前よりかなり……強い!いやー、トロッコと鉱山の未来は夜空の星くらいキラッキラ!どうする? 次はいよいよ目指しちゃう?夢とロマンの、きょ・だ・い・か!」
サーフ:「俺はどちらかというと、小型化の方がいいと思うけどな。狭い坑道にも入っていけるようになるわけだし。」
ジェリック:「くうう、それもいいよねぇー!」
マグヌス:「ったく、お前ら、それくらいにしとけよ……。次の仕事は巨大化でも小型化でもなく、使えるトロッコの数を増やすことだってんだ。そのために、チャイ・ヌズの力を借りて、もう何体かタロースを修復してな。そいつらを試しに動かしてたときに、墜落してく、お前らの飛空艇を見かけたってわけだ。事情は知らねぇが、無事でよかったよ。」
サンクレッド:「戻ったぞ。トロッコは、もとの場所に留めておいた…… ……って、お前も来てたのか。悪い、もしかして俺たちだけ遅れてたか?」
サンクレッド:「ならよかった。……おかげさまで、花を供えてこれた。これでもう、思い残すこともない。」
マグヌス:「聞き捨てならねぇ物言いだな。お前、どうかしたのか?」
サンクレッド:「実は…………」
マグヌス:「もとの世界に帰る、か……。そりゃ、とんでもねぇ話だな……。 ……なあ、こっちに残る嬢ちゃんのことは、ちゃんと困らねぇようにしてあるんだな?」
リーン:「だ、大丈夫です……!クリスタリウムに住む場所もいただいていますし、暮らしに必要なことは、ひととおり習いました!今はガイアも……大切な友達もいて、彼女と一緒に、目指したい夢もあるんです。から……本当の本当に大丈夫ですっ!」
マグヌス:「……ならいいけどよ。身体にガタが来てるってんなら、実際、帰らないわけにもいかねぇんだろうさ。だが俺は、どうあれ家族が離れるのは好かねぇ。お前は……いいのかよ?」
サンクレッド:「なに、こいつが目標に向かって歩き始めたのに、俺だけフラフラしてたら、それこそ格好がつかないからな。リーンが歩いていくから、俺もまだ、人生を捨てられない。もう少しくたびれるまで、自分にできることをやるさ。」
マグヌス:「……幸せな奴め。うちの息子にも、そう思えるくらいまで、デカくなってほしかったもんだ。 嬢ちゃん、困ったことがあったら、相談に来いよ。トロッコのことだけじゃなくてな。」
リーン:「はい……!ありがとうございます、マグヌスさん。サーフさんと、ジェリックさんも!」
サンクレッド:「……それじゃあ、そろそろ行くか。」
リーン:「Lusieさんも、一緒に帰りましょう。みなさんが待つ、クリスタリウムへ!」
マグヌス:「しまった、あいつに礼を言い忘れちまったな……。お前と話せてよかったと、機会があったら伝えといてくれ。嬢ちゃんのことは、俺たちも助けていくさ。」
ジェリック:「いつかさ、元気になったトゥワインの姿を、どうにかしてサンクレッドにも見てもらいたいものだよね。あの、敏腕占い師の人にもさ!」
サーフ:「家族が一緒にいるってさ、簡単なことのようで難しいんだよな……。俺ももう、親はいないんだけどさ。代わりってわけでもないけど、親方と友達と、この街のことは大事にする……そう決めてる。あんたも、また来てくれよな!」
リーン:「あ……Lusieさん……。その……私…………。みなさんが帰ることはわかってて、その方法も、早く見つかればいいと思ってたのに……本当にそのときが来たら……つい足が……。」
リーン:「でも、どうしても悲しいお別れにはしたくなくて……今のうちに伝えたいことも、少しは、考えてあって……。
リーン「 …………! ありがとうございます。私……深呼吸して、落ち着いて、やってみます……!」
リーン:「すー……はー…………よし……。」
アリゼー:「ああ、これで全員ね。……おかげさまで、それぞれ挨拶は済ませられたわ。」
ウリエンジェ:「今、ベーク=ラグ殿が、我々のソウル・サイフォンを確認してくださっています。魔具を持ち帰ることになるあなたも含め、帰還の準備ができ次第、塔の中に来てほしい……とのことです。」
リーン:「 ……あの、みなさん!」
リーン:「今まで、本当に……本当に、お世話になりました。「光の氾濫」からノルヴラントを護ってくれた、ミンフィリア。人々に希望を示し続けてくれた水晶公。それに、「闇の戦士」となってくださったみなさん……その誰が欠けても、今のこの世界はありませんでした。私たちの感謝は……とても言葉では言い尽くせません。」
リーン:「これからも、まだまだ大変なことはあるだろうけど……私、そのたびにみなさんとの冒険を思い出します。 嬉しかったこと、驚いたこと、苦労したこと……全部全部!そしたらどんな困難だって、きっと乗り越えられます。」
リーン:「私、光の巫女ミンフィリアでよかった。リーンでよかった……! これからも、この名前と思い出を連れて……世界中のみなさんと一緒に、明日に向かって歩きます。」
ウリエンジェ:「サンクレッド……。私たちからの返事は、お任せしても?」
サンクレッド:「……わかってるさ。お前がどれだけたくさん成長してきたかも……ちゃんと、大丈夫だってことも。 ……どこの空の下にいても、お前の幸せを願ってる。」
????:「 私たちからも、よろしいでしょうか。」
アルフィノ:「皆……来てくれたのか……!」
ライナ:「あなた方には、どれだけ感謝しても足りないくらいなのです。せめて見送りくらいはさせてください。 皆さんのこれまでの戦いに、心から敬意を表します。あなた方が命懸けで抗ってくれたからこそ、私たちは、夜の闇を……その美しさを知ることができました。」
ライナ:「そして何より……戦いばかりではありましたが、新たな仲間が増えたようで、楽しい日々でもありました。寂しくなりますが、前に進まんとする者は応援するのが、クリスタリウムの街というものです。」
ライナ:「だから今は、ただ、あなた方の無事を願って……。私たちも感謝を胸に、それぞれの道でがんばりたいと思います。」
アリゼー:「そんなに肩ひじ張らなくったって、この街については、何も心配してないわよ!」
アルフィノ:「ああ、強い街だからね。それに…… 彼方から届いた希望が、いつまでも、こうして照らしてくれているのだから。」
ライナ:「水晶公がどこから来た何者だったのか……ついに本人から聞くことはできませんでしたが、現状こそが、何よりも雄弁な答えでしょう。公の身に起きたことについては、報告をいただいております。今、どういった状態なのかも……。」
ライナ:「……大丈夫です。きっと全部、うまくいきます。この街の皆が……クリスタリウムで生まれ育ったすべての民が、それを祈っているのですから。だから……公が目覚め、もし私たちのことを覚えていたら、どうか伝えてはいただけないでしょうか。」
ライナ:「こちらの心配はいりません、と。今度こそ、下手な隠しごとなんてせず……思う存分、命を謳歌してください。あなたがいつも、私たちにさせてくれたように……。」
ライナ:「いつかあなたが、こちらでのことを思い出して、ふと笑うような夜があれば……私たちも、きっと同じように笑っています……と。……お願い、できますか?」
ライナ:「ありがとうございます。おじいちゃんのこと……私たちの公のこと……頼みますね。」
ヤ・シュトラ:「……預かるものも預かったことだし、そろそろ行きましょうか。」